ダイエットには停滞期というものがあります。
このダイエット停滞期は、訪れる人もいれば、訪れない人もいます。
そして、この停滞期の原因には、肉体的【フィジカル】なものと、精神的【マインド】なものの2通りがあります。
停滞期の肉体的な原因としては、「ホメオスタシス」によるものがよく知られています。
>ダイエット停滞期【肉体編】・ホメオスタシスについてはこちら
しかし、肉体的な原因によるものではない停滞期というものも、実は無視できません。
それは、精神的なものによる停滞期です。
停滞期と言うとホメオスタシスの話がよく出てきますが、個人的にはホメオスタシス以上に精神的なものによる影響の方が大きいのではないかな、と思っています。
こちらの記事では、主にマインド面での停滞期の対策についてご紹介したいと思います。
ダイエット停滞期・マインド編
ダイエット経験者にはよくあることだと思いますが、体重が順調に減ってくると、どうしても油断が生じてしまいますよね。
ついつい外食や間食を増やしてしまいがちです。
しかし、この油断こそが大敵です。
せっかくうまくいきかけたダイエットが元の木阿弥になるのも、この油断という心の緩みがあるからこそです。
これこそがマインド面におけるダイエット停滞期の原因です。
その心の緩みを引き締めるために、とても有効な方法がいくつかありますので、ご紹介したいと思います。
1.過去の失敗を思い出す
油断した結果、プチリバウンドして心が折れた経験が、一度でもある人なら、そのときの失敗を思い出すとよいです。
「あのとき、自分史上でいちばん体重が落ちたからと言って、油断して外食でドカ食いしてしまって、体重が一気に戻ってしまったんだよな~」
という苦い経験を、そのときの感情とともにできるだけリアルに思い出しましょう。
人という生き物は、好調なときは前向きに頑張れますが、一度うまくいかなくなると、何もかもが嫌になって全部放り出してしまいがちです。
「あのときの何とも言えない挫折感、『自分はダメなヤツだ』という感覚を、二度と持ちたくない」
そういう一種の恐怖感や危機感が持てれば、同じ失敗は繰り返さずに済むはずです。
私見ですが、途中で挫折したり停滞したりしてしまわないためには、一度は苦い失敗を経験する、というのが一番の良い薬になるのではないかと思います。
もちろん、これが初ダイエットという人は、失敗をしないに越したことはありません。
初ダイエットの人は、失敗しないために、「過去の失敗の経験を思い出す」というワザは使えないので、次のような方法がおすすめです(もちろん初ではない人にもおすすめです)。
2.自分のお腹の肉をつまむ
簡単なわりに非常に効果的な自覚法です。
自分史上で最高に減量できたと思っていても、いざお腹の肉をつまんでみれば、まだまだかなり落とすべき脂肪を抱え込んでいることを思い知らされます。
心の緩みを断ち切るのに非常に効果的な上、誰でも一瞬でできる手軽さなので、騙されたと思ってぜひ試してみてください。
3.自分の全身を鏡に映す
これは上の「お腹の肉をつまむ」に似ています。
自分の現時点での姿を客観的に見ることで、油断を戒めることができます。
上と同じく、ダイエット開始時の体重が70キロで、目標体重が50キロだったとしましょう。
半年のダイエットの結果、60キロにまで落ちたからと言って、油断してはいけません。
数字上で10キロ落ちたと言っても、実際に鏡で見ると、まだまだ理想とする体型にはほど遠いことを思い知らされるはずです。
4.目標体重と現在の体重を並べる
現時点でだいぶ体重が落ちてきたと言っても、目標体重まではまだまだ長い道のりのはずです。
気が緩みそうになったら、自分の目標体重を思い出しましょう。
きっと、まだまだ遠い、道半ばであることを知るはずです。
たとえば、ダイエット開始時の体重が70キロ、目標体重が50キロとしましょう。
半年のダイエットで、体重が60キロにまで落ちた。
ここで緩んで外食や間食を増やしたりしてはいけません。
そんなことをすると、たちどころにそれまで築き上げてきた、良い食習慣を台無しにしてしまいます。
「やっと半分。目標達成まで、まだ半年ある」
こう言い聞かせて、しっかりと兜の緒を締めましょう。
この言い聞かせができれば、途中で外食や間食を増やしてしまって挫折に一直線となることが防げるはずです。
5.ダイエット記録を振り返る
とは言え、ただ自分に厳しいだけでも続けづらいですよね。
ですので、同時に今までの進歩を振り返って、自分を褒めてあげましょう。
そのためにも、自分の体重や体脂肪率などの数値の変化をグラフなどで記録しておくことが大きな助けになります。
エクセルなどの表計算ソフトを使っても良いですし、スマホを持っているなら記録アプリが便利です。
アナログ派の人なら、方眼ノートを買ってきて手書きで記録するのもアリです。
他には、ビジュアル的な記録として定期的に(2週間ごと、1ヶ月ごとなど)に自分の全身の写真を撮るのもオススメです。
体重や体脂肪率の減少が停滞して心が折れそうになったときは、ぜひ記録を見てこれまでの道のりを振り返ってみて下さい。
目標まではまだまだかもしれません。
しかし、始めた当初よりは確実に痩せて健康になり、見た目もよりスリムになり、良い方向に進んできていることは確かなはずです。
1ヶ月前の自分、3ヶ月前の自分、半年前の自分。
グラフは全体としては右肩下がりになっているし、過去の写真と現在の自分は別人のよう。
私たちは、どうしても目先のスランプや停滞にとらわれて無意味に落ち込んでしまいがちです。
しかし、正しい継続的な努力は決して裏切りません。
そのことは、過去の記録が完璧に証明してくれるんですね。
私も1ヶ月くらいほとんど体重が落ちない停滞期を経験したことがありますが、長いスパンで右肩下がりのグラフ、そして過去の写真と現在の自分の鏡の姿の差を実感することで、とても勇気づけられた経験があります。
なんだかんだ言って、ダイエットの成否は、ノウハウ以上に気持ちや意志の占める割合が非常に高いですからね。
ですので、数値を記録すること、写真を撮っておくことは、強くおすすめします。
まとめ
このように、ダイエットの停滞期に陥ったとき、マインド面を整えるために
・数字を直視する
・自分の肉体を直視する
の2通りの方法があります。
数字を見るだけでは、その減り具合を見てついつい油断しがちです。
(70キロが60キロに落ちれば大減量と言えますが、まだ10キロ落とさなければならないという現実があります)
そこで自分の肉体を確かめて、「まだまだ」であることを自覚する必要があります。
一方、肉体を見るだけでは、どれほどの成果が出たのか、あとどれくらいの期間や節制が必要なのか、客観的に把握しづらいです。
客観的に数値化できなければ、目標に向かって頑張りづらいのが人間というものです。
(体重計に一度も乗らないままダイエットを成功させることは、至難の業でしょう)
ですので、体重や体脂肪率の数値の変化をグラフで毎日記録していくことで、どれくらいのペースで落ちてきたのか、これからどのくらいの期間が必要なのかを、客観的に正確に把握する必要があります。
数値と肉体の両面を日々観察することで、ダイエットの進み具合を客観的かつ感覚的に、立体的に把握することができます。
すると、今後の方針も非常に立てやすくなり、ダイエットの成功率も格段に向上するはずです。
それだけでなく、そのような客観的な数値の変化(体重・体脂肪率の減少、右肩下がりのグラフ)は、停滞期の折れそうな心を勇気づけ、自信を取り戻す、この上ない励ましの材料になります。
山登りが辛くなってきたら、一度立ち止まって後ろを振り返ってみましょう。
山頂ほどではないにせよ、すでに麓よりもずっと見晴らしの良い景色が広がっているはずです。
山頂ばかりを見て登り続けると、なかなか近づけないので嫌気が差してしまいます。
山頂に登るまでのプロセスを楽しみながら、時には立ち止まって、周囲の景色を眺める心の余裕を持ち続けることが、一番の成功の秘訣と言えます。