年末年始の奈良旅行最終日の今日、近鉄奈良駅の出口、東向商店街の入り口(行基菩薩像のあるところですね)で、フラリと立ち寄った和菓子屋・寛永堂奈良店が素敵だったので、その魅力を伝えたいと思います。「花びら餅」がキーワードです。

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寛永堂奈良店@近鉄奈良駅・東向商店街

奈良旅行最終日の今日(1月3日)は、疲労が蓄積していたにもかかわらず、早朝から春日山のトレイルランに出かけ、くたくたでした。

当初はチェックアウトしてから帰りの新幹線までの間、ぎりぎりまで動き続けるつもりでしたが、身体が言うことを聞いてくれなかったので、近場のカフェで休憩を取ることにしました。

近鉄奈良駅を出てすぐの、東向商店街入り口に、寛永堂奈良店なる和菓子屋があり、奥を見るとどうやらイートインできそうだったので、ここに決めました。

店内は昼前だったこともあり、空いていました。一番奥のソファ席に陣取りました。

店内奥のガラスの向こうに中庭があります。小綺麗な店内のたたずまいに、期待がふくらみます。

注文していない「花びら餅」を店員に勧められた

お茶に和菓子が2つ付いてくる「寛永」なる名前のセットを注文したところ、店員の女性に「花びら餅」なるものを勧められました。

寛永堂奈良店では、店頭で販売しているお菓子を、店内でお茶と一緒にいただくことができるようです。

その店員さんによれば、もともとの2つの和菓子もいいが、この時期限定の「花びら餅」なるお菓子は、特におすすめなのだそうです。

花びら餅は初耳だったのですが、京都では昔から食べられていたお菓子なのだそうです。

かつて宮中では、新年に長寿を祝う「歯固め」なる儀式で、餅の上に鮎の塩焼きや、大根や瓜などを載せた物を食べていたのだそうです。

やがて簡略化され、鮎がごぼうになり、餅やその他の食べ物が求肥や白味噌餡になり、現在の花びら餅の形で定着したのだとか。

この説明だけを聞いてもイメージが湧きませんよね^^;

その店員さんは、もっと若い頃に京都に行ったときに、初めて花びら餅をいただいて、非常に感銘を受けたそうで、そのときの印象もあって、ぜひおすすめしたいとのことでした。

興味がある旨を伝えると、店頭から1つ持ってきて見せてくれました。それは、京都らしい、優雅にして可憐な姿の和菓子でした。

私は店員さんの売り込みに素直に乗っかって、紅茶と花びら餅を注文することにしました。

店員さんがメニューを下げる直前になって、くず湯も気になったので、こちらも一緒に注文することにしました。

吉野本葛使用とのことで、どのようなものか試してみたい気がしたのです。

くず湯には緑茶がついてくるらしいので、紅茶をキャンセルして、くず湯と花びら餅をいただくことにしました。

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花びら餅、くず湯、黒豆茶、丸ぼうろ

少しして来たのがこちらです。

くず湯には、お茶漬けに入っているような小さなアラレが散りばめられています。

花びら餅は、確かに初めて見るものでした。マメ科の花のつぼみに似ています。真ん中のほんのりとした薄紅色が素敵です。

花びら餅の味の方ですが、中の白味噌餡とごぼうの塩味が効いて、複雑な味わいでした。もちろん良い意味でです。

くず湯の方は、舌触りが滑らかで、スッキリした甘さで、こちらも美味でした。こういうシンプルな食べ物(お菓子)は、雑味のような違和感を感じさせないのが上等の証だと思います。とても満足でした。

ふと柱を見ると、どうやら大谷石が使われているようです。内装にもこだわりがあるようです。

実際、こんなプレートがあります。アール・ヌーヴォー調の内装なのだそうです。そう言えば、柱に植物をモチーフにした彫りが施されており、確かにそれっぽかったです(写真撮り忘れました)。

花びら餅とくず湯の二品で、この店が提供する和菓子のクオリティの高さを確信した私は、何品か買っていくことにしました。

店頭の品物を物色していると、若い女性の店員が、黒豆茶と丸ぼうろの4分の1を持ってきて、召し上がってくださいとのこと。

テイクアウト客と間違われたかと思いましたが、別に関係ないのでしょうかね。黒豆茶は黒豆を炒ってお湯を注いだもので、とても香ばしいものでした。

黒豆の黒さはアントシアニンという色素で、抗酸化作用が注目されています。さらに、イソフラボンという、エストロゲン(女性ホルモン)に近い働きをする成分も豊富に含まれており、中高年の女性には特におすすめとのことです。

結局私は、吉野本葛と三笠焼と丸ぼうろと豆あられを購入しました。本葛はくず湯やくず餅以外に、麻婆豆腐などのとろみ付けに使えます(ぜいたくですが)。

まとめ

近鉄奈良駅・東向商店街には観光旅行で何度も行っているのですが、基本カフェにはめったに行かないので、この寛永堂奈良店は私の中で新発見でした。

店の内装の小綺麗さや店員さんの応対、そして商品である和菓子のクオリティ、どれをとっても私としては満足でした。

客層は基本、中高年の女性が多いのですが(特にイートイン)、男性が一人でふらりと立ち寄っても、甘いものが嫌いでなければ、十分満足できると思います。

もし、あなたが今回の私のように、奈良観光の連日の強行軍で疲労困憊していたり、何かするには短いが、何もしないには長い、電車や飛行機などの微妙な待ち時間があったりしたら、ぜひこの東向商店街の寛永堂奈良店に足を運んでみることをおすすめします。

寛永堂奈良店の基本情報

〒630-8215
奈良県奈良市東向中町4
TEL/FAX:0742-25-5282
営業時間:9:00~20:00

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