干し柿の季節になりました。この季節になると、毎年のように実家から渋柿が大量に送られてきます。
ネットで調べると、結構「干し柿がカビる」という悩みを持つ方が多いようですね。
というわけで、実演を兼ねながら、カビない干し柿の作り方をご紹介したいと思います。
干し柿が実家から送られてきた!
仕事を引退して田舎で農業をやっている父親から、今年も渋柿が送られてきました。甘柿の他に、ショウガや里芋や山芋なんかも一緒に入っていました。
渋柿はこんな感じ。
お尻がとんがっていて、上から見ると正方形に近い形をしています。丸いものよりも皮が剥きやすいです(縦に剥いた場合)。
ちなみに甘柿はこんな形です。
と言っても、尖っているのが渋くて、平べったいのが甘いと決まっているわけではありません。父親の作っている品種がたまたまそうだというだけです。
一般的には、見ただけでは甘柿と渋柿の区別はつきにくいのですが、渋柿の方はT字型に枝を残しているところがポイントです。この枝にヒモをくくるわけですね。
さっそく干し柿を作っていきます。
カビない干し柿の作り方のポイント
カビない干し柿の作り方のポイントは、ずばり3つです。
1.大きな実のものを使わない
2.皮を剥いた後、熱湯で消毒しておく
3.雨のときはすぐに取り込む。降りそうなときは事前に取り込んでおく。
1については、実が大きいと乾きにくいため、その分カビやすくなります。
2については、皮を剥くときに結構手でベタベタ触ってしまっているので、熱湯で殺菌しておきます。
3が一番大事なポイントです。雨ざらしにしてしまうのが、干し柿がカビてしまう最大の原因です。表面が濡れてしまっては、カビやすくなるのは当然です。
実際に干してみると分かりますが、天気の良い日に干すと、その日の内に表面が乾いた状態になります。この状態を維持できればカビないはずですが、雨が降って濡れても放置したりするとすぐにカビます。
ですので、雨に濡れないように工夫しなければなりません。
以上を踏まえて、カビない干し柿の作り方・実演
0.前準備として、干し柿をつるすヒモとハンガーを用意します。
ヒモは普通のビニール紐、ハンガーも100均のもので十分です。ヒモは大体50~70センチくらいがやりやすいと思います。慣れないうちは長めにしておくとよいです。
ハンガーに干し柿を吊るすのは、雨のときにすぐに取り込めるようにするためです。地味ですが、重要なポイントです。
1.まず、大きな鍋に水を入れ、火にかけます。
あとで柿を熱湯消毒するためです。
2.沸かしている間に、渋柿の皮を剥いていきます。
3.剥いた渋柿を沸かした熱湯に漬けます。
表面を消毒するのが目的なので、30秒~1分くらいで十分です。
4.渋柿を熱湯から上げます。
水で洗い流さなくてもいいです。箸やお玉で扱いましょう。手で触ったら消毒の意味があまりなくなってしまいます。
5.渋柿をだいたい10センチ間隔にヒモでくくりつけます。
1本のヒモに4~5個くらいが目安です。
6.こんな感じになります。
7.ハンガーに吊るします。
こうすることで、移動させやすくなります。物干し竿のように、移動させるのが難しいものにくくりつけるのは避けましょう。とにかく湿気・水気対策が最重要課題です。
8.外に干します。
風通しが良いのであれば部屋干しでもよいですが、天気の良い日は外に干した方がよいでしょう。ただ、雨が降った時や降りそうな時は、必ず屋内に入れましょう。
まとめ
以上、よしず流の干し柿の作り方でした。これで絶対にカビないという保証はありませんが、このやり方で今までカビさせたことがないので、とりあえずこのやり方でやっています。
とにかく、カビというものは湿ったところに発生するものなので、柿の表面を濡らさないことが一番大事です。もし濡らしてしまったら、即座に布でふくなりドライヤーで乾かすなりして、乾いた状態を保たせるようにしましょう。
12月2日追記
約2週間経ちました。こんな感じに仕上がりました。カビの発生はありません。実際には1週間から10日くらいで食べられるようになります。
食べる時は下からハサミでこんな感じに切っていくとよいです。
この実は皮を少し残しています。こうすると、水が抜けるのに時間がかかり、中をしっとり目に仕上げることができます。
中身です。この実はまだけっこう水気を含んでいますね。皮を全部剥いたものは、もっと乾燥して干し芋のようになっています。
水気や固さはお好みで。スルメみたいに水気がなくて固いのが好きなら、1ヶ月以上干すとよいと思います。
以上、干し柿のでき具合の報告でした。
よしず後記
柿の風味が凝縮されていて、とても美味しいです。