「マラソン初心者が初レースを体験して得た9つの気付き」の続きです。
6.走り終わったら風邪をひく
マラソンは、レース後に風邪をひきやすいと言われています。実際私も風邪をひいてしまいました。
当日の気温は7~8℃くらいで寒かったのですが、普段のランニングでは、走った後に体が温まっていたので大丈夫だろうと高をくくっていました。
しかし、レース後の体はちっとも温かくはならず、逆にくしゃみを連発していました。家に帰って体温を測ると37℃ありました。
一般に、マラソンで風邪をひく理由としては、
- 冷たい外気に長時間さらされて、体の熱を奪われる
- 体が疲れて免疫力が下がる
- 冬場の乾燥した空気を速いペースで呼吸し続けることで鼻や喉の粘膜が乾燥し、感染しやすくなる
などが考えられます。私が特に強調したいのは1番目です。それが次の気付きです。
7.アンダーウェアは着た方がよい
上の1番目に関連することですが、アンダーウェアは絶対に着けたほうがよいです。私はこの点失敗しました。
私が風邪をひいたのは、上の3つのうち、特に1の防寒対策を一切しなかったことが最大の原因だと思っています。アンダーウェアもウィンドブレーカーも何もつけずに、半袖に半パンといういでたちが災いしたようです。
冬のレースでは、走ることによって発する熱量よりも、冷たい外気に奪われる熱量の方がずっと大きいのです。
普段から5~6キロくらい走っていて、本番は10キロなので、たいした差はないだろうと思っていましたが、だいぶ違いました。ハーフマラソンやフルマラソンなら、なおのこと防寒対策はしっかりしておくべきです。
ただ、私にとっては、今回の失敗で、あのアンダーウェアはただの見てくれやカッコつけではない、ということがよく分かったのは収穫でした。
アンダーウェアというのは、こういうやつですね。この上に半袖のランニングシャツを着ます。
もちろん女性用もあります。
8.完走すると達成感が半端ない
下位だったもののレースを完走できたことは、自分にとっては自信とともに、大いなる達成感や満足感をもたらすものでした。
普段のランニングで10キロを走り終えたところで、これほどの自信や達成感を得ることはできません。やはりレースというのは特別です。
参加者・主催者・応援者たちが、このわずか数時間のために長い間準備を続け、当日に一堂に会する。そのことでもたらされる熱気や盛り上がり、そしてそれが生み出す特別な空気感は、何物にも替えがたいです。
そしてそこで出したあなたの記録は、その場に関わった人たちすべてによって認められた、公的な財産と言えるものになるのです。
9.どんな結果に終わっても次へのモチベーションとなる
ランニングの魅力は、誰と比較されることもなく、自分だけの目標の追求に専念できることです。
しかし、それだけでなく、その頑張りを公式な記録として認めてもらうことは、ランニングを続けるための、非常に強力なモチベーションとなります。
それは途中棄権であっても、タイムオーバーによる失格であっても同じことです。タイムという数字は残らなくても、参加して途中までは走った、という事実は残ります。
レースを終えたあなたは、もう二度と出ない、とは思わないはずです。次はもっと良いタイムを出そう、もっと長いレースに出よう、そんな強い決意に駆り立てられているはずです。
私はもともとダイエットのために走り始めたのですが、単なるダイエットや健康増進が目的だったら、続かなかったはずです。ダイエットを始めてまもなくレースにエントリーしたのですが、それ以降、ジョギングに出るときはいつも、数ヶ月後のレースのことが頭にありました。
○カロリー消費したいから、○キロ走る。そんな義務のような感覚では、ジョギングのようなしんどい行為は、到底習慣化できなかったでしょう。もちろんダイエットにも成功しなかったでしょう。
「レースを○時間以内に走れるようになる」
その目標一つ掲げるだけで、全然違います。普段走るコースを工夫し、フォームを常に意識し、普段の食事や筋トレの重要性も認識します。
これが単に消費カロリーのことしか考えていないのであれば、フォームも何も考えずに、ただ漠然と「今日は○キロ走って○カロリー消費した。やっとこれで終わり!」というのを繰り返すだけで、やがて嫌気が差してやめてしまっていたことでしょう。
どんなことでも、長続きさせる最大のコツは、「その行為そのものを純粋に楽しむ」ことです。それ以外にありません。
ダイエット目的でジョギングを始める際、「ジョギングによって○キロ落とす」のが目的になりますが、「○キロ落とす」ということだけを考えながら走っても、はっきり言ってつまらないし、続かないです。
それは、(ここが大事)「体重を落とすという目的」と「走るという実際の行為」が、直接結び付かないからです。
実際の行為と直接結び付くのは、「走ることそのものに楽しみを見出す」ことです。
そして、そのための最良の呼び水は、「とりあえずでよいので、レースにエントリーする」ことです。
私のようなダイエット目的でなくても、あなたがもし「走る」ことを習慣にしたいと考えているのであれば、何でもいいのでぜひレースにエントリーしてみてください。
まとめ
レース1つに出場するだけで、実に多くの気付きを得られます。レースに出て初めて気付くこともあれば、以前からの認識を再確認できることもあります。
レースに出ると、そのような新たな発見があることも収穫ですが、最大の収穫は、レースの空間や時間の中に浸っていることそのものが、とても楽しいということです。
レースに出るときは、とにかく楽しみましょう。楽しめば、自然と多くのことが得られます。
よしず後記
冬のマラソンレースにアンダーウェアは必須です。私は「10キロだし、たいした違いはないだろう」と思って用意しませんでしたが、甘かったです。
ジブリアニメ「耳を澄ませば」の月島雫の父親のセリフ「人と違う生き方は、それなりにしんどいぞ」をなぜか思い出してしまいました。