「ゼロ~堀江貴文(ホリエモン)から仕事や恋愛は学べるか?」の続きです。
仕事も恋も、これがすべて
仕事でも人生でも、もちろん異性関係でも、キョドってしまうのは、性格の問題ではない。(中略)これはひとえに「経験」の問題なのである。
経験とは、経過した時間ではなく、自らが足を踏み出した歩数によってカウントされていくのである。
何十年も働いているのに、全然仕事ができない人がいます。そういう人は、ただ会社で椅子に座って机に向かっている時間を過ごしているだけで、「一歩も踏み出していない」のです。
恋愛も、ビジネスもそう。いくら「恋愛マニュアル本」を読み漁っても、会社の設立や財務に関する本を読み漁っても、それで恋愛やビジネスの経験値が上がっていくことはありません。
とは言え、そういう本を勉強しようと思い立って、実際に本を開いて読み込んだ、その経験自体は第一歩としてカウントしてよいと思います。
しかし、それはあくまで最初の1カウントです。その後は何冊同じような本を読んでも、1カウントのまま動きません。実践に移して、はじめて次の2カウント目になります。
ここを勘違いして、1冊読んで1カウント、10冊読んだから10カウント、という計算をしてしまっている人が実に多いです。これはインチキ腕立て伏せを100回しているのと同じで、自己満足にしかなりません。
怖くても、場数を踏むしかありません。本ではなく、人間に触れなければなりません。
一歩踏み出すためには
やりがいとは「見つける」ものではなく、自らの手で「つくる」ものだ。
能動的に取り組むプロセス自体が「仕事をつくる」こと
その「一歩を踏み出す」にはどうすればいいか。これはもう、能動的になるしかありません。
異性に声を掛けてもらうのをただ待つのではなく、こちらから掛ける。または掛けてもらえるように仕向ける。
ただ与えられた仕事をマニュアルどおりにこなすだけではなく、マニュアルよりももっと効率的な方法を考えて実行する。業務の改善として提案すれば、それ自体が立派な新しい仕事になります。
実際の会社組織では、効率化よりも前例を踏襲することの方に重きを置く場合が(残念ながら)多かったりもするので、難しいかもしれません。
しかし、少なくともそうやって能動的に動くことで、退屈に見える仕事にもやりがいを見出すことができるはずです。
大事なのは「仕事が何であるか」ではなく、「自分がその仕事とどう向き合うか」です。
時間とは「命そのもの」
タイム・イズ・マネーという言葉は間違っている。(中略)タイム・イズ・ライフなのである。
これはホリエモンに一貫する考え方のようです。ホリエモンの書いたこちらの本でも同じことが書かれています。ホリエモンにとっては時間というのは、この上ない価値を持つもののようです。
私も理屈では分かるのですが、自分の人生や普段の生活を振り返ると、無駄に過ごしてしまった時間があまりにも多いことを認めざるを得ません。
なぜ無駄に過ごすことが多いかと言うと、ひとえに過去のことを後悔したり、未来のことを恐れてくよくよすることが多すぎるからです。
ネガティブなことを考える人は、ヒマなのだ。
本当にそうだと思います。私がつまらないことをいつまでも悔やんだり、くよくよしたりするのは、要するに私がヒマだからです。確かに忙しい時には悩んでいるヒマはないですからね。
もしあなたがポジティブになりたいというのなら、やるべきことはシンプルである。うじうじ悩んでないで、働けばいい。「自分にはできないかもしれない」なんて躊躇しないで、目の前のチャンスに飛びつけばいい。
背中を押してくれる言葉です。ヒマというのは、時間が止まっているも同然ということです。時間が止まっているのに、寿命はどんどん縮まっていく。ヒマをもてあましてネガティブになるというのは、自分で自分を牢獄に閉じ込めているようなものです。
その牢獄から自らを解放できるのは、唯一自分だけです。働きましょう。働いて、人と関わりましょう。
人生には「いま」しか存在しない。
過去も未来も、私たちの頭の中にしか存在しない。言ってみれば「幻影」に過ぎないわけです。実際に「ある」のは今この瞬間だけです。
幻影を見ているだけでは現状は何も変わらないので、とにかく「今、動く」。ネガティブな思いから解放され、前へ進むためには、これしかありません。
まとめ
ホリエモンは、この本の中で、自分の生い立ちを正直に語りながら、主に仕事というものについて、私たちがどう考え、どう向き合うべきなのかについて、端的で歯切れの良い言葉で明快に指し示してくれています。
ホリエモンの主張を私なりに一言でまとめると、「四の五の言わず、働け」ということになると思います。
すべての自己啓発的な言葉は、「行動しよう」この一言に集約されます。ホリエモンのこの本も例外ではないようです。
ホリエモンに興味のある人は、その生い立ちや、ホリエモンがどのようにしてホリエモンになったのかがよく分かりますし、あまり興味のない人にとっても、仕事論の本として非常に魅力的で勇気づけられる言葉にあふれています。
よしず後記
ホリエモンの言葉はとても力強く、私たちを勇気づけてくれるものです。
同時に、ホリエモン自身が今の地位を築くまでに、超人的な努力を重ねてきたことも分かりました。