ダイエットで効果的に痩せる方法について、いろいろ言われていますが、私は、何はなくともまず「朝早起きする」ことをお勧めします。
朝早起きすることのメリットは、仕事術などの分野でもよく言われていますが、ダイエットにおいても多くの効果をもたらしてくれるのです。
私自身が朝型生活に切り替えて実感した経験を踏まえながら、以下にダイエットにおける早起きのメリットを述べてみます。
早起きとダイエット
早起きがダイエットに良い理由は、身体活動(消費カロリー)と食生活(摂取カロリー)の両面から言えることです。
それぞれの側面から、以下に理由を述べていきたいと思います。
朝型生活の方が夜型生活より活動代謝が高くなる
まず、消費カロリーの側面から。
早起きした方が良い理由の一つとして、朝型生活の方が夜型生活より活動代謝が高くなる、ということが挙げられます。
私たちの一日の消費カロリーのうち、およそ6割が基礎代謝、3割が身体活動、1割がDIT(食事誘導性熱産生:食事後の消化活動に伴う体熱の発生によるカロリー消費)だとされます。
身体活動というのは、スポーツなどの運動はもちろんのこと、通勤のために歩いたり、電車の中で立ったり、階段を昇ったり、台所で料理したり、湯船に使ったりなど、一日を過ごす中での行動すべてのことです。
もちろん、椅子にじっと座っているだけでも(少ないですが)カロリーは消費されます。
朝5時に起きて夜10時に寝る朝型生活と、朝9時に起きて夜2時に寝る夜型生活とでは、どちらの方が一日あたりの身体活動が多くなるかと言うと、断然朝型です。
理由は単純で、「人間は明るい時の方が身体をよく動かすから」です。朝型生活と夜型生活では、言うまでもなく朝型の方が明るい時間を長く過ごせます。
会社で忙しく働いていたりする平日だと、その差を実感できにくいかもしれませんが、休日になるとその差をはっきり実感できます。普段から家にいる専業主婦の方などは、もっとはっきり実感できるはずです。
たとえば土日の休日。普段から朝4時や朝5時など早めに起きる人は、午前中から活動する準備が十分に整うし、時間にも余裕があるので、朝に散歩したり、走ったり、外出したり、家の中でも掃除や洗濯など、身体を動かす作業に取り掛かりやすいです。
また、朝早く起きられると、気分もスッキリして、そういうモチベーションも起こりやすいですよね。
一方、休日は朝9時や10時に起きてしまう人は、頭も身体も活動する準備が整うのはようやく昼近くになってからです。
目が覚めて動き始めた時点ですでに午前10時や11時だったりすると、そういう活動に取り掛かるモチベーションは思いきり下がってしまうものです。これは経験のある人も多いと思います。
さらに人間は、日が沈んで暗くなると、基本的に家に引きこもって動かなくなります。
これらのことから、朝型と夜型の違いは、単純に活動時間がスライドした、ということにとどまりません。
お日様とともに一日を始めるのか、それともお日様に何時間も遅れてしまうのかで、一日の過ごし方そのものがガラリと変わってしまうのです。
普段は無意識に日々を過ごしていて気付きにくいかもしれませんが、こうやって自分の一日の行動を俯瞰的に見てみると、朝早く起きた方が自然に活動的になっていることに気付くはずです。
会社などで働いている平日にしても、朝バタバタで出社するよりも、朝に早起きして、1時間の余裕を持っていた方が、出社後のパフォーマンスも格段に向上するはずです。
慌てずゆっくり今日の仕事の準備ができたり、朝のラッシュ時を避けて出社できたり、通勤時に歩いたり走ったりする余裕もあるなど、肉体的にも精神的にも時間的にも、この1時間がもたらしうるメリットは計り知れません。
そういう意味でも、夜型から朝型に切り替えるだけで、「より活発に動ける人間」に自然に変わっていくことができます。
早起きすると朝食をゆっくり食べられる
次に、摂取カロリーの側面からです。朝型生活だと、朝の時間に余裕があるため、朝食をしっかり食べることができます。
朝ギリギリの時間に起きて、朝食を食べずにバタバタで出社して、昼と夜にガッツリ食べる人が多いと思いますが(特に男性)、これは太りやすい食生活の典型です。
朝早く起きて、朝食をしっかり食べると、朝食抜きに比べて、
1.その日午前中の代謝が上がる
2.昼食を食べ過ぎずに済む
3.間食をし過ぎずに済む
というメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。
1.その日午前中の代謝が上がる
1については、朝食を食べた後の胃腸の消化活動に伴い、身体が熱を産生します(ご飯を食べると身体が温かくなりますよね)。そうすると、身体の代謝が向上し、午前中を同じように過ごしていても、朝食抜きよりも多くのカロリーを消費してくれるようになります。
また、これは私自身、朝型に切り替えて実感したことですが、朝食をしっかり食べることで、頭が冴えて身体も活発化するので、仕事がはかどるようになります。
朝食抜きだったころは、10時半~11時くらいになるとお腹がすいて「あ~早くメシ食いて~」となって、頭も身体も鈍くなっていました。
ところが、朝食をしっかり食べる習慣を身につけてからは、午前中ずっと心も身体もシャキッとした状態が続き、空腹を気にせず仕事に集中できるようになりました。
2.昼食を食べ過ぎずに済む
2について、私が朝食抜きだった頃はそんな感じでしたので、当然昼食はガッツリ食べます。むさぼるようにがっつきます笑
その結果、満腹中枢が働く前に大量に食べ過ぎてしまい、カロリーオーバーになってしまいます。
それが朝食を食べる習慣を始めた途端に、昼食が以前ほどたくさん食べられなくなりました(すぐに満腹感を覚えるようになる)。
その結果、「朝食抜き+昼食ガッツリ」から「朝食しっかり、昼食ほどほど」にスムーズに切り替わり、摂取カロリーの合計も抑えられるようになりました。
3.間食をし過ぎずに済む
3についても同様です。かつて夜型生活で朝食を抜いていたときは、そうやって昼食をガッツリ食べたら満足するかと言えば、そんなことはありませんでした。
なぜか食後しばらくしてもお腹がすいている気がしてしまい、3時のおやつなどの間食も増えてしまいます。3時に限らず、4時になっても、5時になっても、無性に何か食べたくなります苦笑
ところが、朝食をしっかり食べることを習慣づけるだけで、なぜか間食が減ったのです。その理由を私なりに考えたのですが、やはり腹持ちのせいではないかと思っています。
通常の食事というのは、かさもあって食物繊維なども豊富に含むので、満腹感を得やすい上に、消化にも時間がかかり、その満腹感が長持ちします。
一方で、間食で食べるお菓子類は、通常の食事に比べるとかさが小さいので、たくさん食べられます。チョコレートとか飴玉とかクッキーやせんべい(もともと小麦粉や米粉)などは、消化も早いです。
しかも、これらお菓子類は、かさの小ささの割りにカロリーが高いので、気が付いたら、あっという間にすさまじいカロリーになってしまいます。
朝食を食べるだけで、ダイエットの最大の敵とも言える、過剰な間食を解消することができるのです。
さらに、夜型生活の間食は最悪
さらに、夜型生活だと、夕食後から寝るまでの時間も長くなるので、午後11時とか午前0時とかにお腹が空いてしまい、ついつい何か追加で食べてしまいます。
これはダイエット的には最悪で、体内にあるBMAL1(びーまるわん)と呼ばれる、体脂肪の貯蔵を促すタンパク質が最も働くのがこの時間帯(午後10時~午前2時)と言われています。
つまり、夜型生活だと、必然的に「いちばん太りやすい時間帯にお腹が空いてしまい、間食してしまう」のです。
これが朝型生活だと、夕食後まもなく眠気がやってくるので、間食してしまう恐れもありません。
まとめ。かつて私は朝食を抜くことは良い習慣だと勘違いしてました
以上、消費カロリー(身体活動)と摂取カロリー(食習慣)の両面から、朝型生活のメリットを見てきました。
朝早く起きて朝食をしっかり食べる。一日の最初にこの習慣一つを組み込むだけで、その後の一日の食習慣もガラリと改善されるのです。
実は、私はかつては「朝食を食べると眠くなってパフォーマンスが下がる」「朝食の時間を睡眠や仕事に充てた方が効率的だろう」と思い込んでいて、あえて朝食を摂らない派だったのです。
ダイエットを始めるにあたって、「むしろ朝食を食べた方がダイエットに良い」と友人から聞かされて、半信半疑で朝食を摂る習慣に切り替えてみたのですが、すぐに効果を実感できました。
眠くなるどころか、身体が温かくなり、むしろ眠気から早く覚めます。さらに空腹に気を取られないので、集中力も午前中いっぱい持続します。
なので、今もしあなたが朝食を抜いている食習慣だとしたら、だまされたと思って、ぜひ朝食を摂ることを習慣化してみてください。きっとその多くの効果に驚くはずです。
また、朝早く起きると、心身ともに余裕を持って仕事を始められ、また気分よく外を散歩したり走ったり洗濯や掃除したりなどもできやすくなるので、夜型生活に比べより活動的になり、パフォーマンスも向上します。
基本的に朝型生活はいいことずくめです。もしあなたが今夜型生活で、「一日の生活リズムにメリハリがない」とか「ダイエットを頑張っているつもりだが、イマイチ成果が出せていない」という自覚があるのなら、だまされたと思ってぜひ朝型生活に切り替えてみてください。
早起きを習慣づけるために押さえておきたい5つのポイントとは?
よしず後記
難しそうに見えることも、あることに気付けば、その途端にスムーズにうまくいく、ということは多いです。
「あることに気付く」のは、未知のことを新しく発見する場合もあれば、自分の今までの思い込みや固定観念を疑うことでもたらされる場合もあります。私の場合は、それが「朝食を摂ること」でした。
「朝食を食べた方がいい」というのは、ずいぶん前から、周りから何べんも聞かされていましたが、スルーしてましたからね。
自分がメタボ体型に近づき、「ヤバい、ダイエットしよう」と思い立ってはじめて、耳を傾ける気になったのです。