良い習慣を手に入れ、悪い習慣を断ち切りたいと考える人は多いです。

すんなりとは行かない場合が多いですが、あることに着目すると、成功する確率が格段に向上します。

そのあることとは、「最初の行動」です。

どういうことなのか、そしてそれをどう成功につなげるのか、私の良い習慣、悪い習慣の具体的なパターンに触れながら紹介したいと思います。

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私の悪い習慣のパターン

まずは私の悪いパターンです。私は毎朝ブログ記事を書くことを習慣にしていますが、これが悪い方向に転んだ場合は、以下のようになります。

  1. 朝5時に起床し、パソコンを起動し、ブラウザを立ち上げます。
  2. ワードプレス(ブログ記事を書くためのネット上のシステム)にログインする前に、ニュースチェックのために、最初にヤフーのトップページに行きます。
  3. そこにはたくさんのニュース記事がアップされており、目ぼしいものをざっと読んでいきます。
  4. あるスキャンダル記事が目にとまり、気になる人物が出てきたので、その人物で検索します。
  5. すると、まとめサイトのような記事がズラリと検索結果に出てくるので、そこに飛びます。
  6. ざっと読み終えると、そのサイトの他の記事や、外部リンクの記事が気になり、クリックします。
  7. リンク先のサイトでも同じことを繰り返します。無限ループです。面白くてやめられず、気が付いたら1時間以上経っていました。

結局ネタになりそうなものは手に入らず、いちばん集中力があって生産性が高いはずの、早朝のゴールデンタイムを無駄に空費する結果となってしまいました。

私の良い習慣のパターン

こちらは良い方に転んだパターンです。私たちが目指すのはこういう流れです。

  1. 朝5時に起床し、パソコンを起動し、ブラウザを立ち上げます。
  2. すぐさまワードプレスにログインし、記事投稿ページを開きます。
  3. 前日に用意しておいたネタ帳を眺めて、仮タイトルと構成を考えます。
  4. 文章全体を見出しで区切って、見出しごとに文章を書いていきます。
  5. 最後にまとめた上で、修正や整形(文字装飾や画像など)をほどこし、全体の内容を踏まえてタイトルを決め、完成した記事を投稿します。

他のことにはわき目も振らず、早朝のゴールデンタイムに高い集中力を保ったまま、満足のいくクオリティの記事を書き上げられました。

悪い習慣と良い習慣を分けるもの

この2つの習慣のパターンは一見、同一人物とは思えないほどかけ離れて見えます。

もちろん、過去は悪い習慣のパターンだったが、現在では良い習慣のパターンが定着している、というのなら問題はないのです。

しかし、残念ながら現実は、現在では良い習慣が定着したかに思えても、ちょっと油断すれば普通に悪い習慣のパターンにはまり込んでしまうものなのです。

ラジオ体操のような10分かそこらのライトな習慣なら、こういう風に悪いパターンにはまり込むことはあまりないです。せいぜい「サボる」くらいで済みます。

ラジオ体操の効果が絶大!私が実感した7つの理由を挙げてみる

ところが、ブログ記事を書くとか、読書するといった、まとまった時間(1時間~)で、ある程度の負荷のかかる習慣だと、どうしても「あ~めんどくせ~」という意識が先立ってしまい、無意識のうちにやるべきことを後回しにして、他のもっとラクなことから手を付けがちです。

上で挙げたネットの例にしても、最初は「10分やったらおしまいにして、その後とりかかろう」などと考えるのですが、一度「ラクなこと」のスイッチを入れてしまうと、もう止まらなくなります。

一度入れたスイッチは、そう簡単に切れないのです。それが良い習慣のスイッチであっても、悪い習慣のスイッチであっても同じことなのです。

逆に言うと、良い習慣のスイッチを最初に入れることが確実に出来るならば、良い習慣を根付かせるのは格段にたやすくなるはずです。

そのためには、どのような工夫をすればよいのでしょうか?

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良い習慣に入るための工夫

良い習慣に入るための工夫はいくつかありますが、私が特に強調したいものを2つ紹介したいと思います。

1.「とりあえずいったん手をつける」ための工夫

私たちが良い習慣でななく、悪い習慣の方のスイッチを最初に入れてしまいがちな、そもそもの理由は何でしょうか?

それは、「悪い習慣のスイッチの方がハードルが低い」と私たちの脳が感じているからです。

ネットサーフィンとブログ執筆を並べたときに、どちらがラクに始められるかと言うと、明らかにネットサーフィンの方です。パソコンを立ち上げて、ブラウザを開き、ヤフーのトップページやグーグル検索に行くだけです。

一方のブログ執筆は、パソコンを立ち上げて、ワードプレスやメモ帳を開くだけで終わりではありません。実際に文章を打ち込んでいかなければなりませんが、そのためには多くのことが必要になります。

まず、ブログを書くためには、「ネタ」がなければなりません。そして次に「構成」を考えなければなりません。これらの要素がそろってはじめて、文章を書き始めることができます。

さらに、文章と言っても、ツイッターのような短文ではなく、何千字という長い文章を書かなければなりません。

ブログ記事を書こう、と思った瞬間、これらいくつものステップを脳裏に思い浮かべてしまい、「あ~めんどくせ~」と思い、その結果、パソコンを立ち上げることすらしない。

もしくは、せっかくパソコンを立ち上げても、ワードプレスではなく、ヤフーやグーグルを最初に開いてしまう。

このように、ブログ記事の執筆のような「身に付けたい良い習慣」というのは、たいていステップが多くて、始める前から「なんか大変、めんどくさい」という気持ちが先立ってしまうものなのです。

とは言え、めんどくさくても、手をつけさえすればこっちのもの

しかし、「大変、めんどくさい」と思える行為でも、いったん手をつけてしまえば、どんどん入り込むことができます。

掃除なんかが典型的です。最初はめんどくさいと思っても、一度取り掛かるとのめり込んで、最初思っていたよりも長時間ハマってしまった経験はありませんか?

ですので、ブログ記事の執筆などの「めんどくさそうに見える」行為の場合、「いったん手をつける」ことを最初の目標とすればいいのです。

ブログ記事の執筆なら、最初のステップは「ネタを決める」ですね。これはパソコンを立ち上げなくても、ネタになりそうな思いつきを紙切れに書いていくだけでできます。

最初はいきなりブログ記事を書きまくろう、と思わなくてよいです。

日々の暮らしの中で、ネタを見つけて、紙切れやスマホのメモ帳などに書きます。あまりメモが短いと、後で読み返しても分からなくなるので、思い出せるように数行の補足説明を入れるとよいでしょう。

この程度なら、簡単に始められるはずです。

ダイエットなら、いきなり食事制限から入るのではなく、今どれだけのカロリーを摂取しているのかを把握するために、紙やメモ帳に食べた物を記録することから始める、というやり方が有効です(これは岡田斗司夫さんのレコーディングダイエットの手法です)。

レコーディングダイエットを今でも私が有効と確信している理由

このようにして、ハードルの低い行動から「とりあえずいったん手をつける」のです。先ほども述べたように、人間は、いったん手をつけさえすれば、それが掃除だろうが何だろうが、やります。

手をつけないからやらない。だったら手をつけるための工夫をする。

そのための一番有効な方法の一つとして、「超簡単でお手軽なステップから始める」という方法があるわけです。

2.悪い習慣を遠ざけた環境を作る

もう一つ強調したいのが、「悪い習慣を遠ざける」ということです。

簡単に言うと、ネットサーフィンをやめたいなら、ネットが出来ない環境に身を置けばよい、ということです。

上の例で述べたように、私は以前はブログ記事を書くために、パソコンを起動して、ブラウザを開いて、ワードプレスの投稿ページに文章を打ち込んでいましたが、すぐにネットに逃げてしまうという悪癖を持っていました。

そして、いったん逃げてしまうと、もはや戻って来れなくなってしまい、その日は記事執筆できずに終わっていました。

いろいろ自分なりに工夫はしました。タイマーを10分にセットして、アラームが鳴ったらネットをやめて記事執筆に戻る、というのを試したこともありましたが、鳴っても無視するので無意味でした。

試行錯誤の結果たどりついたのは、「そもそもパソコンをつけない」という結論でした。

「パソコンをつけた状態で、ネットをしない工夫」をいくら考えても私には無理でした。改めて自分の意志薄弱さを再認識した私は、「そもそもパソコンをつけない」という方法にたどりついたのでした。

パソコンをつけないでブログ記事を書くためには、紙かワープロが必要です。

幸い私には大昔に買った、今は使わなくなったノートブックがありました。これはOSがウィンドウズXPで、ウィルスセキュリティソフトもサポート対象外なのでネットに繋げず、ワープロ代わりにちょうどよかったのです。

そのようにして「ネットにつなげない環境」に切り替えた結果、自分でも驚くほど記事を書くことに専念できるようになりました。

ホリエモンこと堀江貴文さんが、刑務所に服役したときに痩せたのを「刑務所ダイエット」と冗談で言っていましたが、これも同じパターンです。刑務所では間食は許されず、カロリー控え目の食事を取るほかない環境でした。

ゼロ~堀江貴文(ホリエモン)から仕事や恋愛を学べるか?

このように、悪い習慣を断ちたいのであれば、そもそもその悪い習慣をできない環境を作るというのが、最も効果的な方法になります。

まとめ

良い習慣は、最初が肝心です。

その「最初」を幸先の良いものにするために、大きなポイントが2つあると私は考えています。

一つは「まずは取りかかること」。

そして「安易な方(悪い習慣)に流れないこと」。

一つ目は、「超簡単でお手軽なステップから始める」ことで、二つ目は「悪い習慣を遠ざけた環境に身を置く」ことでクリアできます。

実際には「超簡単、お手軽」も「悪い習慣を遠ざけた環境」も、人それぞれ基準が異なります。

例えば、ブログ記事の執筆で言うと、ネタが常に頭の中に詰まっていて、メモ帳を開けばすぐに書き始められるような人にとっては、「メモ帳を開く」ことがスタートになるでしょう。

その一方で、ネタを決めるところから始めなければならない人もいるでしょう。

また、私の場合は、ネットサーフィンを10分のタイマーで区切ろうとして失敗しましたが、その一方で、これで十分対応できる人もいることでしょう。

ですので、具体的に何をやればよいのかは、その人次第です。こればかりは、自分でいろいろ試行錯誤して見つけ出していくしかないと思います。

それでも、この2つの方針を念頭に置くことで、だいぶ道筋が明るくなるはずです。これで確実に良い習慣を根付かせることができるはずですので、ぜひ参考にしてみてください。

よしず後記

よしず

いちばん最初に何をするかで、その後の流れが決定付けられます。

悪い習慣を持っていて、どうしてもやめたい、と思ったら、普段自分がその悪い習慣をどうやって始めているのかを観察するところから始めましょう。それが大きなヒントになります。

私のネットサーフィンの例だと、「パソコンを起動する」がそもそもの始まりだということに気づくまでが、試行錯誤の連続でした。