ダイエットや美容や健康・ヘルスケアにおいて、三大栄養素である糖質・たんぱく質・脂質すべての代謝に関わるビタミンB2は、非常に重要なビタミンです。

ビタミンB2が不足すると口内炎になりやすいというのは有名ですよね。

そんなビタミンB2の働きや効果、食べ物、飲み物、欠乏症や過剰症について、簡単にまとめてみました。

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ビタミンB2とは

ビタミンB2は、三大栄養素である糖質、脂質、たんぱく質の代謝、とりわけ脂質の代謝に深く関わっています。

ほとんどの食品に含まれていますが、豚・牛・鶏のレバーに特に豊富に含まれ、他に乳製品や卵、納豆、魚介類やきのこ類、葉物野菜に多く含まれます。

また、飲み物では、抹茶やココアや青汁(ケール)などに豊富に含まれます。

ビタミンB2の成分名はリボフラビンといいます。

ビタミンB2は水溶性ですが、比較的水に溶けにくいです。しかし、必要量を超えた分は速やかに尿中から体外に排出されるので、過剰症の心配はほとんどありません。

ビタミンB2は体内に蓄積しにくいことから、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)のような「食いだめ」が効かず、毎日しっかり摂取することが必要です。

リボフラビン(ビタミンB2)の構造式は以下のようになっています。

厚生労働省HPより

ビタミンB2の働き

ビタミンB2は、FMNおよびFADという補酵素の形で体内に存在し、三大栄養素である糖質・脂質・たんぱく質の代謝に関わっています。

ビタミンB2の成分名はリボフラビンといいます。

ビタミンB2は「成長のビタミン」とも呼ばれており、たんぱく質の合成に関わり、細胞の形成や成長を促し、皮膚や粘膜を保護する働きを持っています。

そのため、ビタミンB2が欠乏すると、口内炎、口角炎、舌炎、脂漏性皮膚炎を引き起こします。また、成長期の子供の成長が抑制されます。

ビタミンB2とドリンク剤

大半のドリンク剤にはビタミンB2が含まれています。たいていのドリンク剤は明るい黄色をしていますが、これはビタミンB2(リボフラビン)自体が黄色い蛍光色をしているからです。

ビタミンB2は三大栄養素からエネルギーを生み出す代謝に必須のビタミンです。ですので、ドリンク剤を飲むことによって代謝を促進し、エネルギーを手早く産生することで疲労回復することができます。

ビタミンB2とアルコール

アルコールの摂取量が増えると、アルコール代謝のために、ビタミンB1ナイアシンなどの必要量が増大します。

一方で、アルコールを摂り過ぎると、脂肪の分解が妨げられ、肝臓に脂肪が蓄積する脂肪肝になりやすくなります。

そのため、アルコールを摂取した場合は、脂質の代謝のためにビタミンB2、ビタミンB6の必要量が増大します。

ビタミンB2を多く含む食品

ビタミンB2はさまざまな食物に幅広く含まれていますが、豚・牛・鶏のレバーに特に豊富に含まれ、他にはチーズなど乳製品や卵、魚介類、納豆、きのこ類、葉物野菜に多く含まれます。

お茶については、茶葉には多くのビタミンB2が含まれますが、水にはあまり溶け出さないので、茶葉ごと飲む抹茶で多く摂ることができます。

また、ココアや青汁(ケール)にも豊富に含まれています。

なお、納豆はビタミンB2を多く含みますが、これは納豆菌がビタミンB2を合成するためで、通常の大豆製品(豆腐や油揚げなど)にはそれほど多く含まれません。

ビタミンB2はほとんどの食品に含まれるため、バランスの良い食事を心がけていれば、不足や過剰摂取を心配する必要はありません。

ビタミンB2を豊富に含む食品の、可食部100グラムあたりの含有量(mg)は以下のとおりです。

豚レバー 3.60mg
牛レバー 3.00mg
鶏レバー 1.80mg

牛乳 0.15mg
パルメザンチーズ 0.68mg
カマンベールチーズ 0.48mg

鶏卵 0.43mg
うずら卵 0.72mg

ウナギ蒲焼 0.74mg
サバ 0.59mg
ブリ 0.36mg

納豆 0.56mg

ひらたけ 0.40mg
きくらげ(乾)0.87mg
しいたけ(乾)1.40mg

モロヘイヤ0.42mg
豆苗0.27mg
菜の花 0.28mg
あしたば0.24mg
ほうれん草 0.20mg
大根の葉0.16mg

抹茶 1.35mg
青汁(ケール) 0.80mg
ココア 0.22mg
ミルクココア 0.42mg

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ビタミンB2の1日あたりの推奨量、耐容上限量

ビタミンB2の1日あたりの推奨量(mg)

厚生労働省HPより

男性
18~29歳 1.6mg
30~49歳 1.6mg
50~69歳 1.5mg
70歳以上 1.3mg

女性
18~29歳 1.2mg
30~49歳 1.2mg
50~69歳 1.1mg
70歳以上 1.1mg
(妊婦は+0.3、授乳婦は+0.6)

1日の推奨量は成人で1.1~1.6mgほどなので、レバーや葉物野菜、鶏卵や納豆、青魚など様々な食材をバランス良く摂取していれば、ビタミンB2が不足することはほとんどないことが分かります。

ビタミンB2の耐容上限量と過剰症

ビタミンB2は水溶性で、必要以上に摂取した分は速やかに尿中に排泄されます。そのため、過剰症のおそれはほとんどなく、耐容上限量も特に設定されていません。

ビタミンB2の上手な摂り方

ビタミンB2は水溶性ですが、比較的水に溶けにくいです。さらに、熱にも強いので、調理によって失われにくいビタミンです。(この点は水に溶けやすく、熱にも弱いビタミンB1とは対照的です)

ビタミンB1の働きや食べ物、不足による欠乏症、アルコールとの関係

ただし、光により分解しやすいので、直射日光を避け、暗い場所に保存する必要があります(特に牛乳)。

ビタミンB2の欠乏症・過剰症まとめ

ビタミンB2は三大栄養素である糖質・たんぱく質・脂質の代謝に欠かせないビタミンです。ビタミンB2が欠乏したり過剰になったりすると、以下のような症状を引き起こします。

ビタミンB2の欠乏症

口内炎
口角炎
舌炎
脂漏性皮膚炎
成長抑制(成長期の子供)

ビタミンB2の過剰症

ビタミンB2は、体内で必要以上に摂取された分は蓄積せず、尿を経て速やかに体外へ排出されます。そのため、過剰症の心配はほとんどありません。

ビタミンB2まとめ

ビタミンB2について、以下に簡潔にまとめます。

ビタミンB2の主な働き

糖質・たんぱく質・脂質の代謝
エネルギー産生
細胞の形成、成長促進
皮膚や粘膜の保護

ビタミンB2を多く含む食品

動物性

豚・牛・鶏レバー
魚介類(ウナギ蒲焼、サバ、ブリなど)
乳製品(チーズなど)
卵(鶏、うずら)

植物性

きのこ類(ひらたけ、干ししいたけなど)
葉物野菜(モロヘイヤ、豆苗など)

大豆製品

納豆(他の大豆製品にはあまり含まれない)

飲料

抹茶
青汁(ケール)
ココア
ミルクココア

茶葉には多くのビタミンB2が含まれるが、水にはあまり溶け出さないので抹茶がよい。

ビタミンB2の1日あたりの推奨量(mg)

男性
18~29歳 1.6mg
30~49歳 1.6mg
50~69歳 1.5mg
70歳以上 1.3mg

女性
18~29歳 1.2mg
30~49歳 1.2mg
50~69歳 1.1mg
70歳以上 1.1mg
(妊婦は+0.3、授乳婦は+0.6)

耐容上限量は特に設定されていません。

ビタミンB2を食べ物から上手に摂る方法

ビタミンB2は水溶性ではあるが水に溶けにくく、熱にも強いので、調理によって失われにくい。

ただし、光に弱いので、直射日光を避け、暗い場所に保管することが必要。

↓↓各ビタミンの働き、多く含む食べ物や食べ方、欠乏症や過剰症などについて

こちらでビタミン・ミネラルについて、簡単にまとめています。

脂溶性ビタミン
ビタミンAとβカロテン、抗酸化作用
ビタミンDと骨、カルシウム
ビタミンEと過酸化脂質、抗酸化作用
ビタミンKと骨、血液凝固、新生児

水溶性ビタミン
ビタミンB1とアルコール
ビタミンB2と脂質の代謝
ナイアシン(ビタミンB3)とアルコール、トリプトファン、抗酸化作用
ビタミンB6とアミノ酸、つわり、月経前症候群
葉酸と妊娠、DNA、動脈硬化
ビタミンB12と葉酸の関係、欠乏症、吸収消化の特徴
パントテン酸と糖質・脂質の代謝、神経伝達、善玉コレステロール
ビオチンと卵白、アトピー、血糖値、胎児
ビタミンCと抗酸化作用、コラーゲン、ストレス、鉄分の吸収