単品ダイエットとしてキャベツダイエットはよく知られていますが、最近ではキャベツを酢に漬け込んだ「酢キャベツダイエット」が評判のようです。
医師もそのダイエット効果を認めていて、歌手や芸能人などによりダイエットのみならず、バストアップの効果もあると噂される酢キャベツダイエット。
そのやり方と効果の真相について見ていきたいと思います。
酢キャベツダイエットとは
酢キャベツダイエットとは、読んで字のごとく、酢キャベツを食べて痩せよう、というものです。
酢キャベツと言えば、ドイツのザワークラウトが有名です。
しかし、ザワークラウトは塩や香辛料とともにキャベツを漬け込み、空気中の乳酸菌により自然発酵させるのに対し、酢キャベツは生、もしくは軽くゆでた千切りキャベツをそのまま酢と混ぜて作ります。
酢キャベツダイエットの効果
気になる酢キャベツダイエットの効果ですが、結論的にはキャベツと酢の効果を合わせたものになります。
まず、キャベツには
ビタミンA(抗酸化作用、抗発がん作用、免疫活性化)
ビタミンB群(糖質、アミノ酸、脂質の代謝)
ビタミンC(抗酸化作用、コラーゲン生成、脂質の代謝)
ビタミンE(抗酸化作用、細胞の機能維持)
ビタミンK(血液、骨の改善)
ビタミンU(別名キャベジン、胃酸の分泌を抑制)
などが豊富に含まれており、ダイエットのみならず、美容や健康にも良いことが知られています。
さらに、酢には強力な殺菌効果を持ち、野菜の持つビタミンCが壊れてしまうのを防いだり、疲労回復したり、血液をサラサラにするなど、数多くの効能があります。
また、キャベツは100グラム当たりわずか25kcalと、ごく低カロリーなので、キャベツの食べ過ぎで太るということはまずありません。
さらに、キャベツには豊富な食物繊維が含まれるので、自然と噛む回数も増え、また満腹感も感じやすくなります。
そのため、特に食事の一番最初に食べることで、食べ過ぎを防ぐことができます。
バストアップにも効果があるの?その真相は?
さらに、一説によると、バストアップにも効果があるのだとか。
どうやら、キャベツにはボロンという栄養素が含まれており、このボロンが女性ホルモンであるエストロゲンを活性化すると言うのです。
ボロン(Boron)とは、ホウ素の英名ですが、本当にそのような効果があるのでしょうか?
気になって文献を調べて見たのですが、どうやらエストロゲンを活性化するという研究と、逆に抑制するという研究があるようです。
エストロゲンが増加するという主張(英語サイト)
https://medlineplus.gov/druginfo/natural/894.html
エストロゲンが減少するという主張(英語サイト)
https://www.anabolicmen.com/boron-testosterone/
前者はU.S. Department of Health and Human Services(アメリカの厚労省に当たる)関係のサイトのようですが、
「閉経後の女性と、健康な男性についてエストロゲンのレベルが向上する」
と記載されています。
一方で、後者では「男性についてはエストロゲンのレベルが減少する」という結果が出たのだそうです。
残念ながら、どちらも「閉経前の健康な女性」へのボロン(ホウ素)の効果を検証した研究ではないようですね。
また、前者ではエストロゲンが向上したとする一方、後者では減少したという結果が出ており、どっちなのかはっきりしません。
というわけで、ボロン(ホウ素)が、閉経前の健康な女性のエストロゲンを活性化し、さらにバストアップ効果をもたらすかどうかについては、確証が得られませんでした。
酢キャベツダイエットの効果のまとめ
結局、酢キャベツを食べることで、バストアップができるかどうかについては分かりませんでした。
しかし、少なくとも、酢とキャベツの相乗効果によって、食べ過ぎを防ぎ、身体の調子を整えながら痩せることは期待できそうです。
キャベツ単品、お酢単品ではなかなか摂取しづらいという人も、「酢キャベツ」にすることで、パンやご飯と合わせたり、スープにしたりなど、食べやすくなるはずです。
とは言え、酢キャベツばかり食べて痩せようとするのは危険です。
いわゆる単品ダイエットになってしまい、必要な栄養が十分に取れず、痩せる前に身体の方が参ってしまうからです。
バランスの取れた食事に酢キャベツを合わせることで、必要な栄養をしっかり取りつつ、酢とキャベツの力でダイエットに弾みをつける、というのが理想的ですね。